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ビッグファイブのパーソナリティとは?!

ビッグファイブのパーソナリティとは?

 日本で唯一の「ビッグファイブを使った地方公務員むけキャリアコンサルタント」がお送りする「幸せのメソッド」

 4回目は、「ビッグファイブ」のパーソナリティについて、地方公務員向きの特性など具体的な事例を挙げつつ深堀り解説します。

「類型論」と「特性論」

 274Laboがパーソナリティの診断ツールとして活用している「ビッグファイブ」は、心理学的には「特性論」という分野に属しています。

 人間が同じ状況に置かれたとき同じように「感じ」ないのはなぜか?同じ状況に置かれたとき違った行動をするのはなぜか?という疑問に対し、それはその人の「性格」の違いだから、という判断をする人は多いでしょう。

 例えば2人のサラリーマンAさんとBさんが仕事でミスをして、上司にきつく叱られたとします。

 Aさんは「次から叱られないように頑張ろう!」と思ってミスを取り戻すべく仕事に一生懸命に取り組みました。

Bさんは「なんでミスしてしまったんだろう・・・」と落ち込んで体調を崩してしまいました。

 こういうケースは結構ありますよね。

 これは、どちらがいい悪いではなくて、 AさんBさん の性格の違いと言えるでしょう。

 これらの性格の違いをいくつかの塊でまとめて分析する方法を『類型論』といって、これは「血液型による性格分析」や「星座占い」などで普段からなじみの多い分析法です。

 例えば、「あの人はA型だから几帳面だ」とか「しし座の人はあまり細かいことは気にしない」とか、帰納的にデータを収集して、その人の性格をカテゴライズする方法です。

 一方で『特性論』は、個人の性格(パーソナリティ)はいろいろな特性による組み合わせだとする考え方です。この特性を「因子」と呼びますが、その因子の組み合わせで性格が決まるというわけです。

『ビッグファイブ』は、人の性格は「外向性」「神経症傾向」「誠実性」「協調性」「経験への開放性」という5つの因子の組み合わせできまるという理論で、それぞれの因子の「強弱(高低)」で人の性格が分かれるという考え方です。

 さっきの例でいうと、『類型論』で分析した場合、
Aさん は「しし座だから気にせず次の仕事にバリバリできる」とか、
Bさん は「A型だからクヨクヨする」とかいう分析結果になるかもしれません。

 一方で、『特性論』で分析した場合、
Aさん は「外向性が高く、神経症傾向が低いため、あまり叱られたことも気にせず仕事ができる」とか、
Bさん は「神経症傾向が高く、誠実性や協調性も高すぎるので、クヨクヨしてしまう」という分析結果になると思います。

 『類型論』による分析は、わかりやすくなじみがあり全体的な性格の傾向を把握するのには適していますが、分析結果はおおざっぱな傾向にあり、データの信ぴょう性も低いです。

 『特性論』による分析は、16の根源的なパーソナリティ特性による分析(16PF人格検査)など、特性が細分化されているため全体的な性格の傾向はつかみにくいところもありました。

しかし、『ビッグファイブ』はその要素を5因子に還元し、より全体的な傾向がつかみやすくより信憑性の高い分析が行われています。 

最強ツール「ビッグファイブ」を活かした「キャリアコンサルティング」!

 心理学者ダニエル・ネトルは、生物学や遺伝学の見地も踏まえ、この『ビッグファイブ』を新たな科学のパラダイムと捉え、「パーソナリティ研究のルネッサンス」とまで述べています(「パーソナリティを科学する」白揚社)。

 274Laboでは、この『ビッグファイブ』を「パーソナリティ分析の最強ツール」として活用しています。実際のコンサルティングは、下記のような流れで行います。

1.アンケート調査の実施、データの収集
どんな方が対象かというと、今までは、

  • 現役もしくは退職された地方公務員の方
  • 会計年度職員の方
  • 会社員
  • 経営者
  • 学生

などでした。

2.分析
これまでの先行研究と比較検討をして、職業間の差異などの分析を行います。

3.適性診断
地方公務員や会社員など、それぞれの職種におけるビッグファイブの「傾向」や「適性」を診断。
これまでに様々な研究者が作成したパーソナリティの判定基準(パーソナリティ診断の個人検査票など)を使いながら、キャリアコンサルティングに活かしています。

地方公務員に適している「パーソナリティ」とは?

「高い誠実性」

  すべての性格が『ビッグファイブ』の因子の組み合わせであるとしたら、
「この職業にはこの因子を持っているパーソナリティが適している」とか、
「この職業にはこの因子とこの因子の組み合わせが最適だ」というのもわかるはずです。

 274Laboが行っているアンケートで収集したデータと、実際に行ったキャリアコンサルティングから、地方公務員に適している「パーソナリティ」の姿がある程度わかってきました。

 まず一つは、「高い誠実性」です。

 当たり前のことですが、地方公務員は、法律、条例、規則、訓令といった法令に基づいて仕事をしています。
法令にない部分ももちろんたくさんあるわけですが、そういった部分も含めてコンプライアンス遵守が必要なのはいうまでもありません。

 そういった場合に、自分の誘惑に負けてルールを守らないと、住民からの信頼を失墜するばかりか、自分の職を失うことにもなってしまいます。(酒気帯び運転による懲戒免職処分など)

  個人的には、「公務員なのだから大過なく、おとなしく過ごした方がいい」という考え方には賛同できませんが、以前よりも市民の目が厳しくなっているのも事実です。

 とはいえ、このコロナ禍で「外出自粛による感染症防止」と「飲食・旅行等による経済活動の再開」の二項対立の中、公務員だからといって過剰に自粛させることについては、地域経済を回す意味でもいかがなものかと感じています。(コロナ禍における自粛警察のパーソナリティについては、改めて論考します)

 いずれ、「時間を守る」「約束を守る」「書類整理が必要」・・・等、当たり前の社会人のルールですが、会社員や経営者以上に、「高い誠実性」が求められるのは間違いないようです。

窓口業務、相談業務は「高い協調性(共感力)」も大事

 地方公務員でも、窓口業務や相談業務についている方は「協調性」の中でも「高い共感力」が必要とされます。

 市民が手続きや相談に来た時に、相手のことを思いやらず、規則や決まりを一方的に説明しても物事が良い方向にすすみません。実は、こういうケースは非常に多く、どこの自治体でも窓口トラブルは頻繁に起きています。

 これは、相手の言うことをすべて聞いてあげるということではなく、相手の感情に寄り添いながらも主張すべきところは主張し、落としどころをみつけていく・・・・、いわば「交渉力」になるわけですが、この交渉力にも高い協調性が必要です。

 一方で共感力が高すぎるのも困りもので、クレーマーに対して「相手の言うことも一理あるな・・・」となってしまえば相手の思うつぼなので、そこは注意が必要でしょう。

ストレスをためない「低い神経症傾向」

 以前に比べて、地方自治体の業務は多様化、高度化している傾向にあります。

 かつては、窓口の仕事や経理などの事務作業だけで、公務員人生を全うする人もいましたが、今の地方公務員は、法律知識はもちろんのこと、専門性の高い仕事や、時代のニーズにあった仕事をしなければなりません。

 様々な部署を渡り歩くゼネラリストも、一つの仕事の専門を極めるスペシャリストも、ストレスのかかる時代になってきたと思います。

 ストレスがあるからこそ、そのストレスに打ち勝つことで人は成長するという人もいますが、以前ご紹介したように、心の健康に問題を抱えている自治体職員が多くなっている現在では、ストレスをかけて成長させるというのは、自治体のマネジメントにとって逆効果だと思います。

 とはいえ、仕事ですから多少のストレスはつきもの。

 ストレスをため込まない「低い神経症傾向」は、地方公務員に限らず、多くの社会人が持ち合わせたい因子だと思います。
ただ、それは環境に左右されるところも多分にあるので、神経症傾向が低いからといって、地方公務員に向いていないというわけではありません。逆に職場環境が神経症傾向と相関性があるのではないか、と思っています。
(相関性のエビデンスが私はわからないので、どなたか分析した研究成果などがあれば教えてください。)

地方自治体の業務によっても必要とされる特性(因子)が異なる! 

 地方公務員に向いているパーソナリティについて話してきましたが、これはあくまで「一般的な」モデルを想定しているもの。

 ある程度の誠実性や協調性を持っていて、普通の神経症傾向であれば全く問題がないと思います。

 それよりも重要なものは多岐にわたる業務で求められる「パーソナリティ」。

自分のパーソナリティと求められる業務のギャップがでてきたときにどうするか?
これをよい方向に向けるために、一緒になって考えていくのが、274Laboのキャリアコンサルティングの最大のミッションです。

 274Laboでは、今後、財務や税務、福祉など地方自治体の業務ごとに必要とされる特性(因子)について紹介していきます。

あなたのパーソナリティと合わせてみてギャップがあるようでしたら、ぜひ274Laboにご相談ください。